エンジンが掛かるかが、毎朝の心配事だ。祈るような気持ちでキーを回すと、深い眠りから揺り動かされるように、唸りを上げてエンジンが回転し始める。車内は冷蔵庫のように冷えきって吐く息が外より白い。手袋を填めなければハンドルが冷たくて握れない。アクセルを3度4度と大きく吹かしてからハンドブレーキを外し、恐る恐る滑らせる。スタットレスタイヤが凍り付いた路面を噛んでくれている。ラジオから流れる音楽に気持ちを弾ませる。どうやら今日も付き合ってくれそうだ。
市内を雪を背負って走る、愛車「あずきちゃん」号。がんば!!!